「eSIM」ってなにが便利なの? 大手キャリアが続々対応開始(リアルサウンド) - Yahoo!ニュース
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38コメント38件habr.comより
KDDI(au)やUQ Mobileにて先日から提供が始まり、9月8日からはNTTドコモとそのオンライン専用プラン「ahamo」でも利用が開始される、組み込み型SIMカード規格「eSIM」。携帯キャリア各社が導入をすすめる同規格には、どのようなメリットがあるのだろうか。【写真】発売が噂されるGalaxy「三つ折りスマホ」・差し替えないSIMカード 現在多くのスマートフォンやタブレットでは、通信機能を利用するために「SIMカード」を利用している。指先に乗るほど小さなICカードのSIMカードには、電話番号や携帯キャリアの設定情報が書き込まれており、デバイス側面の「SIMカードスロット」に挿入して使う。スマートフォンの新規契約、あるいは機種変更などで、目にした方も多いだろう。 一方でeSIM(Embedded-SIM:埋め込み型SIM)はデバイスに内蔵されたチップで、ユーザーが目にしたり取り外したりすることはできない。それではどのようにして利用するのかというと、ユーザがスマートフォンの設定メニューやアプリなどから自分でキャリアを選択し、電話番号や契約情報をチップに書き込むのだ。 従来の物理的なSIMカードやSIMカードスロットは、小さなスマートフォンの本体設計における制限となっていたことも事実だ。しかしeSIMならチップをスマートフォンのどこかに内蔵しさえすればいいので、本体デザインの自由度が増したり、あるいはより大きなバッテリーを内蔵することも可能になる。・好きなタイミングで契約、キャリア乗り換え eSIMがその本領を発揮するのは、携帯キャリアの新規契約時だ。従来の契約ではショップの店頭に足を運ぶか、あるいはSIMカードの配送を待つ必要があった。何年も携帯キャリアを使い続ける以前のスタイルではそれでも良かったかもしれないが、乗り換えが当たり前となった昨今ではその手間は見逃せない。 しかしeSIMでは、携帯キャリアのウェブサイトから契約プランを申し込めば、すぐに利用を開始できる。契約時の本人確認については、スマートフォンのカメラで本人を撮影し提出資料と照合する「eKYC(オンライン確認システム)」を利用。これにより、自宅からでもすぐに携帯キャリアのプランを契約し、利用することが可能になったのだ。 eSIMを利用すれば、携帯キャリアをまたいだプラン切り替えがより簡単になる。また、メインのプランを物理SIMとして利用し、廉価なデータ通信用のプランをeSIMに書き込むという使い方もできる。さらに海外旅行で他国を訪れた際にも、地元の携帯ショップに行かなくても現地キャリアの契約プランを利用することが可能だ。・eSIMのデメリットとは? このようにメリットばかりのように思えるeSIMだが、欠点がまったくないというわけではない。まず、eSIMを利用するには対応スマートフォンが必要だ。iPhone XS以降やiPhone SE(第2世代)、Pixel 3a以降、Galaxy S20以降など、ここ数年に販売されたスマートフォンの多くはeSIMに対応しているが、利用の前には対応の可否を確認しておく必要がある。 またeSIMが導入されても、「SIMロック」の仕組みは残っている。SIMロックとは携帯キャリアから購入したスマートフォンでは一定期間、他社のSIMカードが利用できないシステムだ。ただし総務省は今年8月に「SIMロックの原則禁止」というガイドラインを発表しており、この制限は近いうちに緩和されそうだ。 大手3キャリアとそのオンライン専用プランが対応することで、eSIMは我々にとってぐっと身近な存在となるはずだ。なにぶん新しい仕組みなので初期設定などで戸惑うかもしれないが、「好きなときに契約し、キャリアを切り替えられる」というeSIMのメリットを、ぜひ体験してみて欲しい。
塚本直樹
最終更新:リアルサウンド