東北大学多元物質科学研究所 創立20周年【PR】 | 日刊工業新聞 電子版
ごあいさつ
多元物質科学研究所(多元研)創立から20年が過ぎました。従来の区別や枠にとらわれない、物質、材料だけでなく、それを生み出すプロセスや評価技術までをも含む、あらゆる“もの”を多元的に研究する、特徴ある研究所として2001年4月に発足しました。その礎は、創立1941年以来受け継がれてきた多元研の前身である、選鉱製錬研究所(素材工学研究所)、科学計測研究所、非水溶液化学研究所(反応化学研究所)の多くの輝かしい研究成果であり、それらは漏れることなく多元研に引き継がれています。資源から最先端素材までの“プロセス軸”、無機・有機・バイオなどあらゆる物質を含む“物質軸”、そして、ナノからマクロまでの“評価計測軸”を、ハイブリッドにカバーした、独創的で斬新な研究を行うと共に、民間等との共同研究も数多く進められています。
10年から始まった、先駆的なネットワーク型共同利用・共同研究拠点事業(北大電子研、多元研、東工大化生研、阪大産研、九大先導研の連携事業)の第2期活動(16年度から)では多元研が拠点本部を務め、その活動に対して最高のS評価をいただきました。一方で、青葉山新キャンパスに建設中の次世代放射光施設計画推進の基幹部局として、16年度から大学・宮城県そして東北経済連合会とともに活動してきました。19年10月には放射光利活用のための学内組織「国際放射光イノベーション・スマート研究センター」が発足し、多元研から複数の研究グループが異動してその活動を支えております。
さて、11年3月の東日本大震災から10年が経過しました。多元研は物質材料研究による東北復興への貢献と、日本の未来を背負う優秀な研究者の輩出を、今後も積極的に担っていきます。皆様方の益々のご健勝とご発展を心より祈上申し上げるとともに、今後とも、変わらぬご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
浸透した多元物質科学