沿って, smartwatches 28/07/2022

Engadget Logo エンガジェット日本版 AirTagがTileや他社GPSトラッカーよりストーカー対策が強固との検証結果

アップルが忘れ物トラッカーAirTagと「探す」アプリのストーカー対策を強化していくと発表したことを受けて、The New York Timessがこの問題を掘り下げた記事を発表しました。

今回の記事では、AirTagやTileおよび他社のGPSトラッカーが悪意ある目的に使われた場合の危うさを検証しており、アップルがAirTagに施した安全対策がいかに高度かを示したものと言えそうです。

NYTのカシミール・ヒル記者は、夫の同意を得た上でAirTagとTileおよびGPSトラッカー(おそらくLandAirSea 54。本来は車両の追跡用)を仕込んで比較テストを行いました。具体的には3つのAirTag、3つのTileとGPSトラッカーを夫と持ち物に付けておき、「どれだけ正確に夫の動きを正確に捉えることができ、どの製品が夫を発見できるか」を調べたとのことです。

この実験は、夫が新型コロナの陽性反応の出た娘を病院に連れて行かねばならなくなったとき、すぐに行われたそうです。まず2人が病院に向かって30分後、ヒル氏は最も精密に追跡できるLandAirSeaにリンクしたアプリを開きました。本製品には追跡の頻度に応じていくつかの月額プランが用意されていますが、最も安い19.95ドルの「3分ごとに位置情報が更新」を選んだとのこと。ちなみに、最も高い「3秒ごとに位置情報が更新」では49.95ドルかかります。

LandAirSeaアプリには、車が動くと警告してくれる「InstaFence」機能や、車がどこを走ったかを表示する「Playback」機能があるため、夫が風の強い道を通ったことまで正確に分かったそうです。午後4時55分に(病院に)駐車したこともリアルタイムで確認できたため、12分後に夫から「待合室にいる」とメールが来ても驚かなかったと語られています。

その一方でTileとAirTagは「私たちが住んでいる人口の少ない地域では、リアルタイムではうまく機能しませんでした」とのこと。これは両製品ともGPSや携帯電話回線を使わず、それぞれの専用ネットワークから位置情報を検出しているためです。AirTagであればiPhoneなどのアップル製品による「探す」ネットワーク、Tileであれば「Tileアクセスポイント」に依存しています。

さてAirTagについては、ある程度はアップルの設計通りに機能したようです。まず「車にすべてのトラッカーを付けてから2時間以内に、iPhoneを持っている夫が、用事を済ませた後にAirTag関連のアラートを受け取った」とのことです。

問題は、それが見つからないことでした。警告にはAirTagの音を鳴らせると書いているものの、いざ鳴らそうとすると、iPhoneがAirTagに接続できなかったそうです。夫はナイキの靴を脱いでのぞき込みながら「靴の中にあるの?」「言ってくれないと困る。探すために靴を壊したくないんだ」とぼやいたと伝えられています。

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またヒル氏も車内でiPhoneとAirTagを接続して音を鳴らしたことがあるが、どこで鳴っているのか分かりづらく、5分ほどで探すのを諦めたと振り返っています。

その一方、Tileはそうした警告を一切表示せず。同社の製品はそれほど多くの情報量を発信しない上に、「Tileのアプリをスマートフォンに入れている人は、アップル製品を持っている人よりもはるかに少ない(2021年に4000万個のTile製品が販売されたと発表)」と指摘され、そもそも探す手段を持っている人がそれほどいないことが示唆されています。

さらにヒル氏は、TileとAirTagのもう一つの大きな違いは、iPhoneで不審なAirTagが一緒に移動しているのを検知すると、iPhoneに通知されるとともに、追跡が始まった場所を示す地図が表示されることだと指摘。もっともAndroidユーザーはAirTagを探すための専用アプリをダウンロードする必要があります。かたやTile社も、望まない追跡を心配する人々のために、同様のアプリをリリースする予定とのことです。

Tile社の広報担当者は、自社製品が「ユーザーが自分の物を見つけるのを支援するために設計されたもので、人間を追跡するためのものではない」とコメント。そして他の目的でTileを使用すると「Tileから永久に追放される可能性がある」と付け加えています。

手短にまとめると、AirTagとTileはリアルタイムの追跡には向いておらず、AirTagは競合他社製品よりも強固なストーカー対策が施されているということでしょう。アップルとは関係ありませんが、数秒ごとに正確な位置がとらえられる他社のGPSトラッカーをつきまとい等の目的で使われることをどう防ぐのかも、気がかりなところです。

Source:The New York Times

via:9to5Mac