新型コロナをスマホのカメラで検出するアプリが開発される
https://doi.org/10.1001/jamanetworkopen.2021.45669
Smartphone, M.D.: Going Viral | The UCSB Current
https://www.news.ucsb.edu/2022/020509/smartphone-md-going-viral
Bacticountは高感度・高速・安価なウイルス検出ツールを目指して開発されたアプリで、PCRと同じくDNAを大量に複製する技術「LAMP法」とスマートフォンのカメラを組み合わせてウイルスの検出を行うことが可能。研究チームはBacticountを用いたウイルス検出法を「smaRT-LAMP」と名付けています。
smaRT-LAMPによるウイルス検出の具体的な手順は以下の通り。まず、ホットプレートやヒートブロックといったLAMP法によるDNAの増幅に必要な機材を用意し、その上にBacticountをインストールしたスマートフォンを設置します。
次に、通常のLAMP法と同様にサンプルを処理します。この際、一般的なLAMP法を用いたウイルス検出ではウイルスのDNAと蛍光タンパク質を同時に増幅させ、その蛍光強度を測定することでウイルスの有無を判断していますが、smaRT-LAMPではこの蛍光強度の測定をスマートフォンのカメラで行います。このため、高価な蛍光測定装置を用意せずともウイルスの有無を判断できるというわけ。
研究チームによると、smaRT-LAMPでは新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスを区別して検出することが可能とのこと。また、PCR検査1回100ドル〜150ドル(約1万1500円〜1万7300円)かかるのに対し、smaRT-LAMPは1回7ドル(約800円)未満で実行可能とされています。研究チームの一員であるMichael Mahan氏は「新たな新型コロナウイルスの変異株が世界的に出現しているため、パンデミック対策には検査が必要不可欠です。世界人口のほぼ半数がスマートフォンを持っている現代では、smaRT-LAMPによって精密な診断への公平で平等なアクセスを提供できる可能性があります」と述べています。
なお、Bacticountは記事作成時点ではAndroidにのみ対応しており、以下のリンク先からダウンロード可能です。
Bacticount - Google Play のアプリ
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.garynfox.pathogenanalyzer
また、Bacticountのプロジェクトサイトではアプリのソースコードや対応ウイルスの追加方法が確認できます。
BACTICOUNT
http://bacticount.com/