沿って, smartwatches 19/03/2022

デュアルスクリーンで拡がる新しいモバイルの世界――「Surface Duo 2」レビュー - ケータイ Watch

スマートフォンに求められる新しいスタイル

 この十数年、国内外の市場ではさまざまなスマートフォンが投入されてきた。単純にメーカーやブランドだけでなく、プラットフォームやデザイン、形状、スタイルなどもいくつかのバリエーションが存在した。

 なかにはキーボード付きなど、ユニークな製品も登場したが、徐々にそのバリエーションは集約され、最近はほとんどの機種が前面のほとんどをディスプレイが占めるスレート(板状)型のボディを採用している。

 そのためか、「どの機種も代わり映えがしない」「スマートフォンがつまらなくなった」といった声が聞かれることも少なくない。

 そんな中、スマートフォンの新しいスタイルとして、注目を集めているのが「折りたたみ」だ。折りたたんだときはコンパクトだが、本体を開くと、大画面で利用できるという特長を持つ。

 これまで市場には、大きく分けて、2つの形状の折りたたみスマートフォンが登場した。

 ひとつはかつてのケータイのように縦方向に開くタイプで、モトローラの「moto RAZR 5G」、サムスンの「Galaxy Z Flip3 5G」などが該当する。

デュアルスクリーンで拡がる新しいモバイルの世界――「Surface Duo 2」レビュー - ケータイ Watch

 もうひとつは本のように横開きにすることで、大画面で利用できるというもので、サムスンの「Galaxy Z Fold3 5G」、OPPOが中国向けに発表した「OPPO Find N」などがある。

 少し変わった手法としては、スマートフォン市場から撤退が発表されてしまったが、LGエレクトロニクスの「LG V60 ThinQ 5G」や「LG VELVET」は、一般的なスレート型のスマートフォンに、ディスプレイ付きケースを用意することで、折りたたみスマートフォンを実現していた。

 今回、国内向けに発売されたマイクロソフトの「Surface Duo 2」は、横開きの折りたたみスマートフォンだが、「moto RAZR 5G」や「Galaxy Z Fold」シリーズのような1枚の有機ELディスプレイを折り曲げる構造ではなく、2つのスレート型の筐体をヒンジでつなぎ、それぞれに5.8インチの有機ELディスプレイを搭載することで、折りたたみデザインを実現している。

 端末を開いたときは5.8インチディスプレイの2画面、もしくは8.3インチ相当の大画面ディスプレイで、さまざまなアプリやコンテンツを利用できるようにしたスマートフォンになる。

マイクロソフト「Surface Duo 2」、開いた状態:約145.2mm(高さ)×184.5mm(幅)×5.5mm(厚さ)、閉じた状態:約145.2mm(高さ)×92.1mm(幅)×11.0mm(厚さ)、約284(重さ)、オプシディアン(写真)、グレイシアをラインアップ

 こうしたデザインや形状のスマートフォンが注目を集める背景には、スマートフォンの使い方が多様化してきたことが挙げられる。

 初期のスマートフォンはメールやWebページの閲覧などが中心で、国内ではケータイで支持されていた防水防塵やおサイフケータイといった機能が取り込まれたことで、本格的な普及が進んだが、その後はSNSや動画視聴の普及でスマートフォンの利用時間が一段と長くなり、SNSに見映えのする写真を投稿するためにカメラが大きく進化したり、動画視聴などのためにディスプレイサイズの大型化が進んだ。

 同時に、生活や仕事に欠かせないアプリが充実してきたことで、「○○をしながら、△△をする」といった使い方が増え、大画面ディスプレイを活かすために、複数のアプリを同時に動作させ、切り替えながら使うシーンも増えてきた。

 こうした多様なニーズや新しい利用スタイルに応えるため、あらためてスマートフォンの形やデザイン、スタイルが見直され、そのひとつの方向性として、折りたたみデザインが示されているわけだ。