Yahoo!ニュース 面倒な経理に〝救世主〟 請求書の入力作業を自動化、改正電子帳簿保存法にも対応 Deepwork・横井朗代表取締役
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0コメント0件主力の「invox受取請求書」は登録者数が増えている(納冨康撮影)
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— Umair Toor Fri Feb 24 03:34:43 +0000 2017
【トップ直撃】面倒な請求書の入力作業を自動化したり、国税関係の書類を適切に電子保存したりと、企業の経理にとって「救世主」となるサービスを提供している。法改正や消費税のインボイス制度導入など経理関連の業務が大きく変わるなか、中小企業も導入しやすい環境整備を急ぎ、社会課題の解決を図るという。 (中田達也)◇――請求書に関する業務で悩みを抱える企業も多いようですね「多くの企業では紙やPDFなどで送られてくる請求書を、人が見ながら入力作業しています。口座番号や金額など数字を1つ間違えただけでたいへんなことになるので、別の人が確認しています」――作業の効率化は簡単ではない?「支払いのための振り込みデータを作る入力と、会計システムに入力するための仕訳を作る2種類の作業があり、それぞれダブルチェックすれば計4回も人による確認が必要です。それを効率化しようとして1人で作業するとミスの確率も上がるうえ、不正のリスクも出てきます」――「invox(インボックス)受取請求書」というサービスでは一連の業務を自動化するそうですね「請求書を読み取って、それぞれのデータを自動で作ることができます。紙で届いたものはお客さまにスキャンしていただくか、われわれのスキャンサービスをご利用いただくこともできますし、PDFで届くものはメールから自動で取り込むことが可能です。スキャンされた画面上の数字とデータ化された結果を確認して申請し、上長や経理担当者が確認するという仕組みで、紙に触ることなく業務が完結します」精度99・9%――読み取りの精度も99・9%だとか「AI(人工知能)がデータ化した結果をオペレーターが確認することで、精度を担保しています」――「invox電子帳簿保存」というサービスでは、国税関係の電子取引情報や書類を保管するそうですね「1月に改正電子帳簿保存法がスタートし、電子データで受け取った請求書や領収書、契約書などは、要件を満たした上で電子で保存することが義務化されました。日付と金額、取引先名で検索できるようにとか、金額は範囲指定できるようにするなど細かい要件があるのですが、昨年8月の段階でほぼ知られておらず、気付いた事業者さまからご相談を多くいただいていました」――相談が増えたので開発を急いだそうですね「データ化のノウハウなどわれわれの強みが生きる領域だったので、急いで開発して昨年10月にリリースしました。2年間の経過措置は設けられましたが、取り組みが求められます」――経理に関する業務は変革期のようですね「2023年10月に始まる消費税のインボイス制度では、請求書に納税している事業者の番号を記入することが義務付けられ、全事業者が請求書のフォーマットを変える必要があります。納税者番号を自動で読み取り、正しいかどうかを国税のデータと照らし合わせ、違ったら警告する仕組みによって、フォーマットの変化をあまり意識することなくインボイスへの対応を進められるように準備しています」中小企業にも――中小企業も対応を迫られますね「経理担当者が辞めてしまったら引き継ぎがいないという企業も少なくありません。システム投資にそれほどお金をかけられないところでも気軽に使っていただけるサービスだと考えています」――どのような点が強みですか「もともと大企業向けにERP(統合基幹業務システム)を開発していたメンバーが中心なので企業の業務効率化やシステム、会計周りに強いところですね。データ化の方法や機能、費用などを比較すればわれわれを選んでいただけると思います。中小企業も含めて全ての事業者に使っていただけるように、いかに価格を下げていくかを考えています」――今後の目標は「国内に事業者は300万社以上あるので、インフラのようなサービスにしていきたいですね」「1日に8つ商談」完全リモートで圧倒的な生産性【コンピューター】父親がコンピューター関連の仕事をしていたこともあり、昔から身近な存在だったという。大学卒業後、ソフトウエア開発企業に入社。「一番厳しそうだった会社を選びました。ハードでしたが、学ぶことが多かったですね」と振り返る。【起業】次に入ったのが人工知能(AI)による書類のデータ化を手掛ける会社で、東証マザースに上場。その後、別のIT企業でM&Aも経験した後、起業した。「40歳を過ぎて起業する際、お金ではなく、長く続けられる目標を設定しようと考えました。これまでのノウハウや経験を組み合わせて世の中にインパクトを与えられるのは何だろうと考えたときに、請求書という分野が浮かびました」2014年から大学院に通ったことも「視野が広がった感じはありますね」という。【完全リモート】コロナ禍前の会社設立当時から勤務体制は完全リモートだ。「フルリモートだと1日に8つ商談が入るなど営業面の生産性は圧倒的です。エンジニアの採用もフルリモートにすることで全国の方々が一緒に働く対象になるというメリットもあります」デメリットは、「運動不足になることと、ずっと部屋にいると脳への刺激がなくなる気がすることですね。なるべく散歩したり、外で仕事したりしてもらうようにしています」【家族】妻と8歳の長女、4歳の次女。【手放せない一品】レジャーシート。「朝晩の散歩にパソコンと一緒に持ち歩き、外で仕事をすることもあります」【リフォーム】「両親が住んでいた千葉県内の空き家を、兄弟や家族が定期的に集まって掃除してリフォームし、バーベキューしたりしています」【読書】『リーダーシップの旅』(野田智義、金井壽宏著)「リーダーはもともと偉大だったわけではなく、やりたいことがあって踏み出すとフォロワーがついてきて結果的に偉大になったということが書かれています。誰でも一歩踏み出すとリーダーになれるんだよと勇気をもらえる本です」【座右の銘】«からだ元気、こころ平和»「高校生のころから大事にしている言葉です。その2つがあればハッピーということですね」【会社メモ】業務自動化サービス「invox受取請求書」および「invox電子帳簿保存」の運営・開発を手掛ける。本社・東京。2019年2月設立、売上高は非公開。従業員数30人(22年2月時点)。invox受取請求書の登録件数は約1700件、invox電子帳簿保存が約1000件。■横井朗(よこい・あきら)1977年3月生まれ、44歳。東京都出身。東京工科大学工学部情報通信工学科卒業後の2000年ソフトウエアエンジニアとしてキャリアをスタート。03年ビーブレイクシステムズ入社、13年に独立し、Arti設立。15年クラビスに参加し、16年から取締役・CTO。19年Deepworkを設立し代表取締役に就任する。同年ビジネス・ブレークスルー大学大学院にてMBA(経営管理修士)を取得。