ハイブリッド開催の「CES 2022」では何が発表される? 注目すべき4つのポイント
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が2020年初頭に訪れて以来、「これから期待されること」を紹介する類のジャーナリズムが皮肉な状況に陥った。以前は「あの巨大な展示会では何が期待できるか? それは誰にもわからない!」といった見出しが並んでいたが、いまは「開催されるかどうかすら不明だ!」といった具合なのである。
しかし今回のイヴェントについては、開催は確定している。その展示会とは例の大規模イヴェント、ネヴァダ州ラスヴェガスで毎年開催される世界最大級の家電見本市「CES」だ。今回は現実世界とオンラインの両方でのハイブリッド開催となる。
実際に会場でリアル参加する勇気があるテック企業やマーケター、アナリストがどれだけいるのか、わたしたちはまだ正確な数を把握していない。そして現実世界での会場では、ワクチン接種証明の提示が求められる。
CESが最後にリアル開催されたのは2020年1月で、推定約17万人が参加した。昨年の2021年は完全オンライン開催となった。あまり楽しいものではなかったが、かといって混雑したカジノでウイルスの微粒子を避けながらの参加というのも、決して楽しくはないだろう。
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リアルな出展は激減、会期は短縮
主催者である米民生技術協会(CTA)に12月中旬に取材した際には、CTAは今年のイヴェントの登録参加者数を開示しなかった。今回はグーグルやマイクロソフト、アマゾン、レノボ、インテル、Tモバイル、AT&T、メタ・プラットフォームズ、TikTok、ピンタレストを含む多数の大手テック企業が出展を辞退している。
これに対して150社以上が「デジタルのみ」での参加を表明していた。そして数日前になってCTAは、4日間の開催期間を1日少ない3日間に短縮した。パンデミック上の懸念がその理由だ。
「展示会の近ごろの一般的な傾向として、参加者数が近年の30~50%程度となっています」と、CTAのマーケティング担当シニアヴァイスプレジデントのジーン・フォスターは語る。「今回、最終的に50%程度の参加者数となれば、比較的良好な数字といえるでしょう」
わかっていることは、ステージでの基調講演はすべてリモート参加者に向けてライヴ配信されるということだ。今年はデジタル資産のノンファンジブル・トークン(NFT)をはじめとするいくつかの新興テクノロジーの分野に焦点が当てられる。
自動車分野は近年に比べてさらに重要性が増し、ゼネラルモーターズ(GM)の最高経営責任者(CEO)のメアリー・バーラや米運輸長官のピート・ブティジェッジなどが基調講演する。デジタルヘルスは引き続き最も高い注目度となるだろう。
また、あらゆる家電には人工知能(AI)が搭載され、ノートPCメーカーは消費者の興味を引くべく努めることになる。また、さらに巨大で明るいディスプレイが登場するはずだ(過去2年でディスプレイの出展はもう見飽きたという人が多いかもしれない)。
その一部は、わたしたちが自ら使うディスプレイを通して見ることになるかもしれない。というのも、『WIRED』US版は今回のCESをリモート取材することに決めているからだ。
1: 宇宙や農業などの新分野に注目
「CES 2022」における新しい分野のひとつに、「スペーステック」が挙げられる。現在の“宇宙競争”が引き金になり、この分野が設けられたのだと、CTAのフォスターは言う。