Apple Watchの睡眠計測機能で「アルコールと睡眠」の関係を検証! 「酒の量が多い日=睡眠も浅い」は数値で実証可能か?
睡眠の悩みを抱えていませんか?
突然ですが、みなさんはよく眠れていますか?
熱帯夜で眠れないとか、朝起きるのが辛いとか、人それぞれ様々な悩みがあるかと思います。
睡眠専門メディアの「SleepediA」(https://sleepedia.jp/)によると、睡眠の悩みランキングベスト10は下記の通りだそうです。
やはり、圧倒的に多いのが「日中の眠気」で、おそらくは夜にしっかり睡眠を取れておらず、日中に眠くなってしまうのだと思われます。
1位 日中の眠気2位 不眠症3位 睡眠薬に関すること4位 いびき(睡眠時無呼吸症候群を含む)5位 子供の睡眠6位 夢遊病7位 枕の選び方8位 夢9位 足むずむず症候群10位 ショートスリーパー
アルコールと睡眠の関係をスマートウォッチで検証
今回はApple Watchを使って、睡眠の質に関するちょっとした実験をしてみようと思います。
内容としては「睡眠のためにアルコールはプラスに働くかどうか」ということで、仮説としては「少量のお酒を飲むことによっていい睡眠ができる」のではないか、ということです。
なお被検者である私(編集部S)のアルコールの強さは、世の中の男性平均で言えば、そこそこ飲める方かなとは思います。
飲み放題店に行っても、相当な量を飲まない限り前後不覚になることはないですし、顔色も特に変わらず飲む方です。
毎日の酒量は缶ビールを1〜2缶飲む程度ですが、最近はなんとなく飲まない日も増えてきました。
そのようなごく平均的な「お酒が飲める人」にとって、一番ぐっすり眠れるのは「全く飲まない日」なのか「缶ビール350ml缶1本程度の微量を飲んだ日」なのか「今日は酔っ払ったな、と自覚できるくらい飲んだ日」なのかをスマートウォッチを使って検証してみたいと思います。
また何をもって「ぐっすり眠れた」とするかは個人個人で差があるとは思いますが、せっかくスマートウォッチを使って数値で検証できるので「睡眠時の平均心拍数」「睡眠の深さの割合」の2つで検証してみようと思います。
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酒量の定義
飲んだ量に関しては「何ml飲んだか」とあまり細かくは数値が取れないので、主観的に「たくさん飲んだ」「少しだけ飲んだ」「全く飲まなかった」の3段階とします。
検証をする筆者が「そこそこ飲める方」なのを鑑みて、以下のように定義します。
定義・酒量:多今回はビールならば350ml缶なら6缶以上、ワインフルボトルなら1本以上、日本酒なら5合以上、ウィスキー系ならばダブルを5杯以上くらいとします。感覚としては「自分で酔いを自覚できるくらい」、という感じでしょうか
定義・酒量:少ここでは、ビールやサワーなどの350ml缶1本程度を「酒量:少」と定義します。
定義・酒量・ゼロまったく飲まなかった場合にのみ定義します。ここ最近は知人とお酒を飲む機会も全く無くなってしまいましたので、(以前は考えられませんでしたが)こういった「1滴も飲まない日」が増えてきました。
運動の有無も検証時の材料に
また、その日の体調によっても違いが出てくると思うので、身体的に活動的で「疲れがある日」と、身体的な運動がない日で「疲れがない日」に分けてみます。(あくまで身体的な疲れで、精神的なものは無視します。)
定義・運動:あり運動といってもデスクワーク中心の平日ではなかなか運動もできておりません。
その中でも「今日はたくさん歩いた」とか「撮影で何時間も立っていた」という日が少なからずあります。そういった身体的な疲れがある日は「運動:あり」と定義します。
定義・運動:なし動らしい運動をせず、デスクワークでほとんど動いていない日とします。特にコロナウイルスが猛威を振るい始めてからは、ちょっとした外出もせずやれオンラインミーティングだ、オンラインセミナーだと、自分のデスクから動かずに一日が終わってしまうこともあります。こういった日(大部分がこんな日ですが)は「運動:なし」と定義します。
検証の結果は?
検証の結果は下記の表のようになりました。
睡眠中の心拍数
睡眠中の心拍数ですが、数値が低いほど安静で数値が高いほど興奮度が抜けきれていないと言えると思います
検証が夏場で、しかもエアコンを常に入れているわけではないので冬に数値をとればもう少し低い値になるように感じます。
表では数値が大きいほど円が大きくなるように表現しています。
こちらはアルコールが少しでも入ると心拍数が下がりきらないようです(被検者の起床時の平均心拍数は60くらいです)。
アルコールが全く入らない方が安静に睡眠できていることがわかります。
日中に運動をしているかどうかはほとんど関係がなさそうですね。
深い睡眠の割合
スマートウォッチには「浅い睡眠」と「深い睡眠」を測定し記録してくれる機能があります。Apple Watchの純正アプリではありませんが、無料のサードパーティアプリの「Sleep Watch」でも「覚醒」「浅い睡眠」「深い睡眠」の3段階に分けて記録してくれます。
ここでは例えば睡眠時間が10時間、その中で浅い睡眠が4時間、深い睡眠が6時間ということであれば「深い睡眠の割合=60%」としています。
ここでも、アルコールを摂取しない方が深い睡眠の割合が高くなっています。なんとなく「少しくらい飲んだ方がぐっすり眠れる」というように考えておりましたが、少しでもアルコールを入れると浅い睡眠の割合が増えるようです。
運動のありorなしに関しては、微妙に運動があったほうが睡眠が深くなるようですが、こちらは誤差の範囲かもしれません。
まとめ
仕事や生活に便利なスマートウォッチですが、健康状態を良好に保つためにもいい効果を発揮してくれます。
アップルウォッチでは、心電図のアプリが追加されたり血中酸素濃度を測定できたりと、健康に対する需要の大きさを感じます。
最新のWatchOS7からは純正の睡眠アプリも導入されており、FitbitやGarminに先行されていた感のある睡眠の分野でもアップルウォッチで正確か計測ができるという認識が広がっています。
スマートウォッチの良さは「なんとなく感覚的に」考えていたことがしっかりと数値で見える化されることでしょう。
これからはしっかりと疲れを取りたい時や翌日に大切なことがある場合はなるべくアルコールを摂取しないように心がけようと認識を新たにしました。
※本記事はあくまでも個人の記録と感想に基づくものであり、アルコール・運動と睡眠の質の関係には個人差がありますのでご容赦ください。
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