「au WALLET」と何が違う? プリペイド型「ソフトバンクカード」の正体 - ITmedia Mobile
ソフトバンク・ペイメント・サービス、ソフトバンクモバイル、ワイジェイカード、Tポイント・ジャパンが2月18日に発表した「ソフトバンクカード」(デザインは2種)は、国内外3800万以上のVisa加盟店で利用できるプリペイドカードで、支払いをすることでTポイントをためることもできる。
ポイントをためることもできる。
ソフトバンクカードソフトバンク・ペイメント・サービスはVisaプリペイドカードの発行や決済/送金事業、ソフトバンクモバイルは会員獲得と携帯電話連携機能の提供、Tポイント・ジャパンはポイントプログラム、ワイジェイカードはオートチャージ機能の提供をそれぞれ担う。
ソフトバンクの携帯電話を利用するユーザー向けに3月6日から提供されるが、サービスの詳細やKDDIの電子マネー「au WALLET」との違いなど、気になる点も多い。疑問点を1つ1つチェックしていこう。
ソフトバンクカードは国内外3800万以上のVisa加盟店のほか、後述のクレジット契約を結ぶことでソフトバンク携帯電話の利用料金の支払いにも利用できる。店舗での支払いはクレジットカードと同じく、カードを店員に渡して読み取り機に通し、署名をするだけだ。
Visa加盟店で利用可能通常のTカードは200円で1ポイントたまるが、ソフトバンクカードなら200円で2ポイント(Tカード提示と支払い利用で各1ポイント)、決済額分をきっかり入金する「おまかせチャージ」機能を使えば200円で3ポイント(Tカード提示で1ポイント、支払い利用で2ポイント)もたまるので、実質3倍ポイントがたまる。例えば携帯電話の通話料が1万円なら、通常50ポイントのところが、150ポイントたまるという分けだ。
Tポイントカードが通常の3倍たまるチャージ方法は以下の5つで、入金額の下限/上限やチャージ額の単位、Tポイントのたまり方などが異なる。詳細は以下の通りだ。このほか、ワイジェイカードのクレジット口座に設定されるキャッシング利用可能枠からチャージする「キャッシングチャージ」も順次提供する予定。チャージの残高はいずれも100万円が上限だ。Tポイントとソフトバンクまとめて支払いからのチャージは、「My SoftBank」から操作できるので、スマホからいつでもどこでも入金できる。
5つのチャージ方法Tポイント
ためたTポイントをVisa加盟店で利用できる。チャージ単位は100ポイントで、100ポイントあたり85円相当でチャージする。
銀行振込
ソフトバンクカード発行時にジャパンネット銀行に開設される専用口座に振り込む方法。振り込む金融機関によっては手数料がかかる場合がある。チャージ単位は1円。
口座振替
ジャパンネット銀行の口座間で振り替える方法。チャージ単位は1000円ごとで、月10回までチャージ可能。手数料は無料だが、初回利用時に口座振替契約が必要だ。
ソフトバンクまとめて支払い
事前にチャージした額を月々の携帯電話料金とまとめて支払う。チャージ単位は1000円ごとで、1度のチャージ金額は4000円〜1万円の範囲。
おまかせチャージ
ソフトバンクカード特有の機能で、商品購入時にチャージ残高が不足している場合、不足した金額のみをオートチャージしてくれる機能。充当した金額は、後日設定した銀行口座より引き落とされる。高校生を除く18歳以上のユーザーが対象で、申し込みと審査が必要。チャージをし忘れて残高が0円のままでも、クレジットカードのように買い物ができる利点がある。
ソフトバンクモバイルのユーザー向けに提供されるソフトバンクカードだが、ソフトバンクの携帯電話回線を解約しても、ソフトバンクカードは有効期限が来るまで使い続けられる。利用分は契約した銀行口座から引き落とされる。会員向けページMySoftBankは、本サービス提供を機に、他キャリアにMNPしたユーザーも継続して利用できるよう機能を拡充する。
KDDIも電子マネー「au WALLET」のプリペイドカードとクレジットカードをそれぞれ提供しているが、ソフトバンクカードはクレジット的に使えるおまかせチャージ機能を付与することで、1枚で両方の役割を果たすことが特徴だ。au WALLETに対する優位点は、銀行口座からの振り込みがじぶん銀行以外にも対応していることと、他のソフトバンクカードや金融機関口座へ送金ができること、海外のATMから現金引き出しができることなどが挙げられる。
「au WALLET」との違いソフトバンクカードの概要チャージ残高は「現金バリュー」と「プリベイドバリュー」の2種類に分かれており、チャージの方式と利用方法がそれぞれ異なる。現金バリューは銀行振込と口座振替および後日提供予定のキャッシングからチャージした分で、買い物での支払い、金融機関口座への送金、海外ATMからの引き出しなどを利用できる。
プリベイドバリューは、Tポイント、ソフトバンクまとめて支払い、おまかせチャージからチャージした分で、買い物での支払いと他のソフトバンクカードユーザーへの送金に利用できる。なお、買い物での支払い時はプリベイドバリューから優先的に利用され、残高が0になると、現金バリューの残高から充当する仕組みだ。
チャージ残高の種類ソフトバンク・ペイメント・サービス事業企画部部長 榊原一弥氏ソフトバンク・ペイメント・サービス事業企画部部長 榊原一弥氏は、非正規雇用者の増加や年収の下落を受け、クレジットカードの保有率も低下傾向にあると指摘する。合わせて、いまだに現金決済が主流であることから、審査不要なVisa対応プリペイドカードでモバイル決済市場の促進を図るのが狙いだ。年会費や会員費、手数料などは無料で、審査はあるもののおまかせチャージ機能が使えれば、残高を気にすることなく後払いで買い物できるメリットがある。
ソフトバンクカードは個人間の送金だけでなく、企業から個人への送金もできるため、例えば企業がキャンペーン時のキャッシュバックや報酬金などの名目で個人ユーザーに送金したり、親が子供にお小遣いを送ったりもできる。ソフトバンクが来たる春商戦のキャッシュバック戦争におけるユーザーへの現金還元手段として利用する可能性もあるかもしれない。
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