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17/07/2022
COP15で議論深まる生物多様性保全の枠組み【地球環境特集より】 | 日刊工業新聞 電子版
各地域の風土に培われた生物多様性は、生態系サービスという形で私たちの衣食住を支えている。例えば、主要な農作物の75%は受粉に頼っている。ペニシリンに代表されるように創薬、化粧品などは微生物に着想を得たものも多い。その損失は我々の生活の質を左右する。
COP10では、2050年までに自然と共生する世界の実現という長期目標と、2020年を目標年とした愛知目標が採択された。その愛知目標の後継となる「ポスト2020目標」が、COP15で決定される。
10年以降、生物多様性に関連する国内外の動きは活発で、名古屋議定書の発効に続き、生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学―政策プラットフォーム(IPBES)が誕生している。とりわけ欧州では活動が活発化しており、欧州連合(EU)は20年5月に「2030年までの生物多様性戦略」と「農場から食卓まで戦略」をそろい踏みで発表した。両者に共通した目標として、生物多様性に配慮した有機農業の比率を30年までに25%拡大などを掲げた。