コンテンツ企業に挑む、アニメキャラ×製造業コラボ | 中小・ベンチャー ニュース | 日刊工業新聞 電子版
コンテンツホルダーと非コンテンツホルダーの区分は難しいが、約10社はいわゆるコンテンツホルダー側だったと見られた。
第1部でサンライズの宮河恭夫社長、レッグスの野林徳行取締役、キャラクター・データ・バンクの陸川和男社長がコンテンツ保有企業と非コンテンツ企業の連携事例などを紹介。第2部で自由交流をした。
参加者からは「コンテンツメーカー・ホルダーと交流したかったが、どうすればよいか分からなかった。糸口ができたのでビジネスの可能性について詳細を詰めたい」「キャラクタービジネスはマーケティングに有効だと分かった。交流した企業とのキャラクター活用を検討したい」「ソフトウエア関連会社だが、インテリア関連起業が保有するコンテンツの活用について協業できる可能性を見いだせた」などの声が上がった。
「ファン目線の先にヒントあり」
これから2020年に向けて日本のコンテンツはさらに世界に広がっていく。日本のポップカルチャー全体が世界から注目される中で、それをどうビジネスにつなげるかが大きな課題となる。
ターゲットを世界に広げマーチャンダイジング、商品・サービスを届けようとする強い思いを持った企業がどのくらいいるかでコンテンツ産業の将来は変わってくる。これから関わろうと思う方にお伝えしたいのは、何よりご自身がコンテンツビジネスの一番のファンになってほしいということ。そして好きなコンテンツでどんなビジネスをするか考えてほしい。ファン目線の先にはきっとヒントが隠されている。それを形にできれば必ず権利保有者にも、消費者にも熱い思いは伝わる。
■ノンアイロンシール
【製品の販促にデザイン利用】
自社開発した製品販売にキャラクターデザインを活用しようと考えているのが扶桑(東京都葛飾区)。特殊なシール・ステッカーの製造を主業務としており、布生地にこするだけで簡単に転写できるノンアイロンシールを開発した。
同シールはTシャツやトートバッグなど多くの生地製品に対応できることから、今後思い切った拡販策を実施したい意向。人気の高い有名キャラクターのデザインを利用しようと考え東商が開いたコラボ交流会に参加した。
営業担当の富田成昭氏は「キャラクター商品購入者の約6割が女性なので、特に大人の商品開発の必要性と、キャラクターを利用した効果的な広告を検討する必要性を感じた」と本格的な検討に乗り出す考え。
その一方で、「ライセンス利用の制約や方法などが不明確。当社のように小規模事業者(従業員13人)でも気軽に利用できる仕組みづくりがあれば一層コンテンツ産業の可能性も広がる」との思いも抱いた。
■コンサートグッズ
【「最低保証料」が参入のハードル】
大王製作所(東京都台東区、従業員35人)はコンサートやアニメ関連グッズなどの製造および販売を行う。エンドユーザーの要望に合わせた商品開発や海外展開に関する知識を深めるため、交流会に参加した。
サプライチェーン上、メーカーの立ち位置でもあるため、コンテンツ保有企業や商品企画会社に提案もしている。そのため、「コンテンツ利用に関しては最低保証料というハードルがあり、商品にするのなら販売力を兼ね備えた仕組みが準備できなければ相手にされない」(細谷富男取締役)と指摘。
「メーカーなら生産に特化する形にすれば比較的ビジネスになり得る」と新規参入検討組に対し意見を出す一方で、「この世界、素人が増えてきた。事前学習の機会があってもよいのかも知れない」とも語った。