炊飯器の電気代はどのくらい? 知って安心ご飯のための電気代 | マイナビニュース マイナビニュース マイナビ
はじめて電気代について考える方向けに計算方法からくわしくみてみましょう
電気代の計算方法
電気代の計算に欠かせない用語の説明も含めて、電気代の計算方法を説明します。電気代は、以下のどちらかの式で求められます。
なお、本記事における「1kWhあたりの電気代」は、全国家庭電気製品公正取引協議会が「新電気料金目安単価」として示す「27円」を用いて計算します。
炊飯器の電気代は、炊飯と保温で異なる
炊飯する場合と保温をする場合で電気代は異なります。実際に炊飯時にどのくらい電気代がかかるか計算してみましょう。ここでは、象印のIH炊飯器「NP-VN10」を例に計算します。
1回あたりの炊飯時消費電力量 : 143Wh/回
1回あたりの電気代 : 143Wh×27円/kWh=約3.8円
1度の炊飯に必要な電気代は、「約3.8円」でした。ただし、同じIH炊飯器でも、一升炊きタイプだと炊飯時消費電力量は、191Wh/回となっているため、当たり前ですが大きな釜の方が、電気代が高くなることがわかります。
保温した場合の電気代は以下のとおりです。
1時間あたりの保温時消費電力量 : 15Wh/h
10時間あたり : 15Wh/h×10h×27円/kWf=約4.0円
10時間ほどの保温には「約4円」の電気代がかかります。このように、保温は意外にも電気代がかかることがわかります。電気代を抑えたいという方は、できるだけ保温機能を使う時間を少なくできるように工夫するとよいでしょう。
他の炊飯方法はいくらかかる?
上記では炊飯器での電気代を紹介しましたが、他の方法で炊飯をした場合、どのような価格になるのでしょう? 参考までに計算してみました。
土鍋で炊いたご飯はおいしく、一度炊いたら戻れないなんていう声も聞くことがあります。土鍋はガスを使いますので、ガス代を計算してみましょう。
土鍋でご飯を炊く目安である20分間中火を使用すると、18円前後のガス代が発生します。
なおこれは都市ガスを使った場合の料金です。プロパンガスとなると、都市ガスよりも2倍からそれ以上値段が高いので、料金の面を考えると電気の炊飯器のほうが安いといえます。
電子レンジ炊飯器という商品が各メーカーからさまざまな種類が発売されており、プラスチック製、シリコン製、土鍋のタイプまであります。
プラスチック製の電子レンジ炊飯器では2合炊くのに約10円の電気代がかかります。電子レンジは炊飯器と違って一回の炊飯量によって料金が変わりますが、こちらの場合も炊飯器の方が料金は安いといえるでしょう。
炊飯器の節電方法
炊飯器は大きな節電効果を見込むことができる家電です。これから紹介するものからできるものがあれば実践してみてください。
保温時間を見直すだけでかなりの節電効果がみられます。なんとなく保温をつけっぱなしにしてしまう方もいると思いますが、意識的に保温を切ったり、まずは一時間だけでも保温時間を短縮したりしてみてください。そもそも保温機能は長時間使用するとお米の変色や固化の原因にもなります。
炊飯器は、炊飯時に最も電力を消費します。そのため、炊く回数をなるべく少なくすることが節電につながり、電気代も安くなります。
ただし、まとめて炊いても長時間保温していては意味がありません。残ったご飯は、冷凍庫で保存しておき、食べる際には電子レンジで温めるようにしましょう。
冷凍ごはんはおいしくないという方も、「蒸気ごとラップに包んで必ず粗熱を取って冷蔵庫に入れる」「平べったくラップすることでレンジの加熱ムラを防ぐ」「冷凍専用容器を使う」などの工夫で、ふっくらおいしいごはんが食べられますよ。
家電には待機電力といって使用していないときも電力を消費してしまう場合があります。コンセントを抜くことで待機電力分の電気代がかからなくなります。炊飯器の待機電力は1日0.3円~0.7円ぐらいです。一週間で2円ほど削減できるでしょう。
エコモードがある炊飯器をお持ちの方は、エコモードを使うと消費電力が減ります。感じ方は人それぞれではありますが、味はそこまで大幅に変わりません。節電したい場合は基本的にエコモードを設定しておきましょう。お持ちのものを調べてみてください。
今の炊飯器は、10年前と比べて省エネに作られています。環境庁の省エネカタログによっても、最新の炊飯器と10年前のものでは、「約7kWh」も年間消費電力量が異なるようです。劣化したものを使うとご飯の風味を損ねたり、においがついてしまうこともあるので、定期的に買い換えましょう。
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今回電気代を解説した炊飯器は、毎日おいしいご飯を食べるためにとても便利な道具ですが、保温機能を長時間使ってしまったり、1日に何度も炊飯したりすると電気代が割高になってしまいます。
炊飯器を上手に使うコツは、炊飯器が必須であるシーン以外では冷凍庫や電子レンジなど他の家電と組み合わせて使うことです。
たとえば、長時間の保温は電気代が高くなるだけではなく、ご飯の味も落ちてしまいます。しかし、保温をせずに冷凍しておき、食べたい時に電子レンジで温めれば、電気代が安く済むだけではなく、ごはんもより美味しく食べることができます。
よりエコに炊飯器を使えるよう、工夫して上手に活用していきましょう。