グーグルの新しいChromecastは、「Google TV」対応で圧倒的に使いやすくなった:製品レヴュー
米国ではメディアストリーミング端末「Roku(ロク)」が長らく人気だ。Rokuを愛用しているので、なぜ「Chromecast」が必要なのかずっと理解できなかった。テレビで動画を再生するためにスマートフォンを使うなんて、面倒ではないだろうか。それに、Rokuは安価だが優れた機能があり、ほぼすべてのストリーミングサーヴィスに対応していて使い勝手もいい。
ところがグーグルは、複数のやり方でコンテンツの検索やストリーミングができる新モデル「Chromecast with Google TV」を発売した。そして、これをしばらく使ってみたところ、Rokuへの忠誠心が揺らぎ始めるようになったのである。
価格は49.99ドル(日本では7,600円)と、最小限の機能しかなかった旧モデル(日本では5,072円)よりかなり高くなった。しかし、新しいChromecastは「Google TV」に対応している。Google TVは、これまで「Android TV」と呼ばれていたスマートテレビのプラットフォームで、ユーザーインターフェイスはRokuや「Apple TV」並みに使いやすい。また、専用のリモコンも付属する。
新しいChromecastは、「Dolby Vision(ドルビービジョン)」と「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」に対応しており、最大4K解像度でコンテンツをストリーミング視聴できる。本体はモダンな楕円形をした可愛らしいデザインで、3種類のカラーヴァリエーションはどれもソフトな色合いだ。もっとも、たいていの場合、本体はテレビの後ろに隠れて見えなくなる。
カスタマイズされるインターフェイス
Chromecastを競合するストリーミングデヴァイスと比べたときの最大の強みは、Google TVの使いやすいインターフェイスだろう。お薦めコンテンツがユーザーの嗜好に合わせてカスタマイズされるほか、映画やテレビ番組がプラットフォームの区別なく表示される。
おかげでコンテンツを探すのがはるかに楽になった。Netflix、Hulu、Amazonプライム・ビデオ、YouTubeなどのストリーミングサーヴィスにあるコンテンツを探すために、それぞれのアプリを起動する必要がないからだ。
もちろん、アプリを開かなければ各サーヴィスのライブラリー全体を見ることはできないが、そんなときにこそカスタマイズされたお薦めが役に立つ。また、広告が表示されない点も素晴らしく、それだけで全体的な使いやすさがますます高まっている。
実際に個人的に加入しているサーヴィスにログインし、Chromecastをメインのストリーミングデヴァイスとして使ってみたところ、Chromecastは興味をもちそうなコンテンツをかなり適切に提案してくれた。完璧とはいえないが、気に入らないタイトルが表示された場合はリモコンの中央ボタンを長押しすれば、最終的にお薦めから削除される。また、同じ長押し操作によって、あとで見たいコンテンツをウォッチリストに追加することもできる。
複数サーヴィスのコンテンツを横断検索
Google TVは、「YouTube TV」やグーグルのレンタルサーヴィスなど、加入していないサーヴィスのタイトルも表示する。ただし、毎回かなりの数のコンテンツが表示されるので、これを不快に感じるようなことはなかった。また、あるストリーミングサーヴィスが自分に適しているかわからない場合は、加入すべきか判断する上で役立つ情報が得られるかもしれない。