Business improvement ideas Recommended points and improvement examples of 4 selections | Tsuginojudai Facebook Facebook Facebook Facebook Instagram LINE MAIL MAIL MAGAZINE Twitter Twitter Twitter Twitter Web Site YouTube YouTube
目次
- 業務改善とは
- おすすめの業務改善アイデア4つ
- アイデア①ITスキルの高い人を組織に入れる
- アイデア②ExcelやAccessの研修を受けてもらう
- アイデア③OneNoteを活用する
- アイデア④クラウドサービスを活用する
- 業務改善を行うポイントと手順
- 手順①業務の「スリム化」を行う
- 手順②業務の「質の向上」「スピードアップ」を図る
- 手順③改善状況の評価を行う
- 業務改善の真の狙いは組織の活力を高めること
業務改善とは
業務改善とは、部門単位で業務の生産性を上げることです。業務改善を行わなければ、会社の売上高や利益率が低迷し、投資に資金が回せなくなります。結果的に会社としての競争力を失うことになりかねません。
部門単位で業務の生産性を上げるには、業務の「スリム化」を行った上で、業務の「質の向上」「スピードアップ」を図るのがポイントになります。
これらを通して、部門内で「作業系の時間を圧縮し、考える系の時間を生み出すことで、生産性を上げる」という好循環が生まれれば、業務改善は成功したと言えるでしょう。
おすすめの業務改善アイデア4つ
業務改善を実現するためには、ITツールを活用することが効果的です。
ITツールを使えば、手作業によるミスが減り、業務の「質の向上」や「スピードアップ」が期待できます。
ただし、必ずしも新しいITツールを導入する必要はありません。
実際には、高額な商品を導入しても、業務にフィットしなかったり、社員がストレスを感じたりと、失敗することが多いのです。
ここでは、あまりコストをかけずに実現できる、オフィスワークの業務改善アイデアを4つご紹介します。
それぞれ実行することでどんな効果が得られるのか、実行するときにどんなところに注意しなければいけないのか、まとめました。
業務改善アイデア | 業務改善の具体例 | 実行時の注意点 |
---|---|---|
ITスキルの高い人を組織に入れる | ・組織全体のPCスキルが向上する・筋がいいITツールを作成または導入できるようになる | ・その人に権限を与える・仕様をオープンにする |
ExcelやAccessの研修を受けてもらう | ・全員がITツールを抵抗感なく操作できるようになる・ITツールの改修が可能になる | ・苦手な人もやる気にさせる・2~3名はできるようにする |
OneNoteを活用する | ・最新情報を常時共有できる・業務の引継ぎがスムーズになる | ・チェック体制を整える・ファイルを肥大化させない |
クラウドサービスを活用する | ・システム管理を簡素化できる・テレワークが快適になる | ・容量と処理速度を確認する・情報漏洩を防ぐ |
以下で、それぞれ詳しく見ていきます。
これからの時代、終身雇用が保てなくなるといわれています。危機感はどの社員にもあるでしょう。PCスキルはどんな仕事をするにも役立ちます。
PCスキル向上には、まずパソコンでどのようなことができるのかを知る必要があります。
そこで、効果的なITツールを作成したり、業務に相応しいシステムを提案したりできるような、ITスキルの高い人を各組織に1人入れて、ある程度権限のあるポジションを与えます。
ITスキルの高い人は、社内にいても、ヘルプデスクやシステム部のような部署に配置されていることが多いです。
このような人を連れてくることができれば良いのですが、難しければ外部から採用することになります。
その人には、単なるプレーヤーとしてではなく、リーダーとしてスムーズに業務改善を進められるように、次長クラス以上のポジションを与えることが重要です。
その人が簡易ITツールを作成することで、他の社員にこんなすごいことができるのかという感動が生まれます。勉強への意欲がわいてくる人が出てきます。
また、ツールの仕様やソースコードは、オープンにしておきましょう。
便利なツールを体験することで、効率化へのモチベーションが高まった人が、学ぶきっかけを得られるからです。
新しくシステムを導入する場合も、部門内にITスキルが高く、業務内容を熟知している人が要件定義を行うことにより、失敗を防ぐことができます。
それほど規模が大きくない会社であれば、ExcelとAccessでデータ処理や管理はできてしまいます。
Excel VBAは、「データの取込 → 抽出・集計 → 報告資料の作成」といった典型的なデータ処理作業において大きな威力を発揮します。
とっかかりさえつかめればそれほど難しくないので、どの社員にもゲーム感覚で気軽にチャレンジしてもらいましょう。
ちょっとしたプログラムが書けると、仕事がクリエイティブなものに生まれ変わります。
たとえば、これまで手入力をしていただけの業務が、いかにミスなく速く自動入力できるかを追及する業務に変わります。
システムからデータを出力して集計していただけ報告資料が、損益分岐点などの分析を加えた高度なものに変わります。
Accessはやや敷居が高いですが、安価で汎用性が高く素晴らしいアプリケーションです。基幹システムとして使っている会社もあります。
営業管理や就業管理に限らず、さまざまな便利ツールが自由に作成でき、Excelと連携しやすいという利点があります。
既に外注したものや昔いた人がつくったものがあって、あまり使いこなせていない場合、まず組織内で2~3名に習得してもらい、メンテナンスや簡単な改修をおこなってもらえるようにすると良いでしょう。
データベースを勉強することになりますから、外部システムを発注する際も、しくみが分かっているためスムーズです。
社内研修の実施が難しければ、外部の対面講座やオンライン講座を各自で受けてもらうのがおすすめです。
OneNoteは、Microsoft社のデジタルノートです。操作が簡単なので、誰でも抵抗なく使えます。
Windows 10に最初からインストールされている「OneNote for Windows 10」というアプリもありますが、Office版の方をおすすめします。Excelに慣れている方には、[ファイル]タブやリボンがあった方が使いやすいからです。
Office版は、Office 2019では別途ダウンロードする必要がありますが、Office 2021には初めから含まれています (Office Personal 2021は除く)。
OneNoteは、ノートブック、セクション、ページから構成されているため、メモを階層的に管理できます。社内のマニュアルがどこに保存されているか?などといった基本情報を、ポータルサイトのように管理することが可能です。
※数多くのテンプレートが下記リンク先から取得できます。https://www.microsoft.com/ja-jp/office/pipc/template/search-result.aspx?pr=one
OneNoteそのものにマニュアルを記載して、業務の引継ぎに使ったこともありますが、非常にスムーズに進みました。
メールやPDFファイルなど、個別ファイルで情報を管理すると、情報が散らばってしまうため、「ここを見れば必ず最新情報が取り出せる」というものがあると便利です。
データの一元管理が徹底されないとミスが発生し、時間と労力の多大なロスにつながります。取引先との関係にも影響が出かねないため、早めに導入の検討をされることをおすすめします。
新型コロナウイルス感染拡大により、リモート、非接触、分散へのニーズが高まりました。これからはクラウドサービスの活用がますます有効になるでしょう。
クラウドサービスとは、インターネット経由でサーバー、アプリケーション、データセンター、ケーブル等のリソースを提供するサービスのことです。
社内システムをオンプレミス (インストール型) からクラウドへ移行するメリットは、次の3つです。
- システムの導入コストが抑制できる
- データの増加に合わせてCPUを追加したり(スケールアップ)、データベースを分割したり(スケールアウト)するのが簡単
- バックアップの自動化と、障害発生時における予備の待機システムへの自動切り替え(フェイルオーバー)により、システム監視の手間から解放される
なお、クラウドサービスには3種類あります。
- IaaS (イアース; Infrastructure as a Service):サーバー、CPU、ストーレージなどのインフラ系
- PaaS (パース; Platform as a Service):アプリケーション開発・運用の基盤となるプラットフォーム系
- SaaS (サース; Software as a Service):ソフトウェアパッケージを提供するアプリケーション系
SaaSまで含んでいれば、クラウド移行時にネックとなりやすいライセンスの問題が起きず、導入のストレスが小さくなるのでおすすめです。
SaaSの代表的なものに、Microsoft社のOffice365がありますが、2021年8月にはWindows365がリリースされました。アプリケーションだけでなく、OSもクラウド化される時代になっています。
業務改善を行うポイントと手順
業務改善は、今やどの会社においても考えなければならないミッションです。
しかし、業務改善をしようとしてもなかなかできない会社は少なくありません。その理由には、主に次のようなものがあげられます。
業務改善が進まない理由は、業務改善分を社員に還元できない会社の仕組みや、そもそも業務改善がしたくないという人の気質にあることがほとんどです。
私の知るケースとして、お客様にマクロを使ったツールを開発した際、依頼されてきた中間管理職の方が、実際の作業内容をよく把握していないかったため、現場の方を呼んでもらったことがありました。
事務作業を大した仕事ではないという人は、実は自分が苦手なのです。
また、社員全員が誰でも同じように操作できるようにすることばかり考えている管理職がいるのも、要因のひとつとしてあげられます。標準化のやりすぎは、組織の活力を削ぎます。
スキルのレベルが低い人に合わせてばかりいたことで、高い人がやる気をなくして辞職。その結果、業務改善ができずにいる、というケースも珍しくありません。
そのため、業務改善を行うには、今紹介したようなアイデアをただ取り入れるのではなく、各社員が働く目的と、インセンティブとなる施策の均衡点を探っていくことが重要です。
実際には、次のような手順で進めていくと良いでしょう。
まず、業務の「スリム化」を行うために、各業務にかかっている作業量と時間を可視化します。
可視化する際には、各社員に業務内容と1週間にかけている時間をExcelに入力してもらい、ピボットテーブルで集計してみると良いでしょう。
可視化したら、無駄な作業を廃止し、費用対効果の低い作業を簡素化または思い切って廃止します。まとめてやったほうが効率が良い作業は統合しましょう。
どれが無駄な作業や費用対効果の低い作業なのか、まとめたほうが効率が良い作業なのかを判断するには、通説を疑うことから始めなければなりません。
たとえば、全員で話し合って決めなければならない話があったとします。通説では会議時間を短くするために、事前にアジェンダと関連資料を配布し、各自が読んで理解しておくべきとされています。
しかし、そのためには誰かがしっかりした資料を作成しなければなりませんし、読む人もその話の経緯や目的をつかむのが大変です。重要度などの細かいニュアンスも伝わりません。
新しい話を議論する際は、先に定例会議などで口頭で説明し、質問があればその場で答えるほうが効率的です。
意見は次の会議までに考えておいてくださいということにするか、既に選択肢が決まっているのであれば、どこかに入力してもらって完結させてしまいます。
業務の廃止や簡素化、統廃合に難色を示す社員がいれば、お試し期間を設定してから実行するとよいでしょう。
また、議事録作成いう作業がこれまであり、後日にテープ起こしのようなものを3時間かけて作り、誰も見返していないというケースがあったとします。
この場合、箇条書きにするか、資料にメモを書き込んで会議後すぐにスキャナで取り込むだけにするなど、簡素化しても問題ないでしょう。簡易メモであれば、Accessに入力しておけば取り出しやすくて便利です。
業務の「スリム化」を行ったら、業務の「質の向上」「スピードアップ」を図ります。業務改善のアイデアを選定し、実行しましょう。
業務改善のアイデアを選定するときは、効果の大きなものから行います。
このとき、部門単位だけでなく社員単位のメリットを提示することも大切です。
たとえば、将来のキャリアアップをどう考えているのかを聞いてみます。経営層を目指しているなら、システムの要件定義ができるようになることはプラスになるはずなので、できる人とチームを組んで勉強してもらいます。
また、業務改善のアイデアを実行するときは、事前にマニュアルを整備して説明会を実施します。
マニュアルの整備では、凝りすぎない、手間をかけ過ぎないことが重要です。システムであればワードかパワーポイントに画面キャプチャーを貼ってコメントをつけたり、Excelのツールであれば別にパワーポイントを作らずにシートに記載する程度で良いでしょう。
説明会を実施するときは、全員が揃うときに対面で行えば、疑問点がその場で共有できます。
業務改善は、アイデアを実施したらそれで終わりではありません。
部門内で生産性アップの好循環を生み出すために、業務がきちんと改善されているかどうか、状況を確認し、評価を行うことが大切です。
評価を行う際は、最初にやった可視化をもう一度行い、どう変化したかを比較します。
業務改善の真の狙いは組織の活力を高めること
業務改善には、次のようなことが重要です。
- 業務改善のために、まとまった時間を確保する
- データの一元管理と作業の自動化を進める
- 組織全体で、PCスキルアップへのモチベーションを上げる
- ITスキルの高い人に、少しずつ基準を合わせていく
- ルーティンとして、経営戦略にかかわる重要な資料を作成する
- 眠っているデータを分析し、売上拡大やコスト削減につなげる
- Microsoftのアプリケーションを使いこなす
- クラウドを活用して、業務がどこでも快適に行えるようにする
私の友人に、かつては会社に行くのが苦痛でしかなかった女性がいました。
ところが、Excel VBAを勉強し、業務改善ツールを次々と作成して、会社で表彰されるようになりました。仕事の話をする時、昔と異なり生き生きとした表情になっていったことが印象的でした。
業務改善は組織の活力を高めます。明日から是非やってみてください。