超低消費電力CPUにもなる?「Core i9-12900K」をリミット調整で美味しく使う! - AKIBA PC Hotline!
MTP 241Wの16コア24スレッドCPU「Core i9-12900K」
まずは、Core i9-12900KというCPUについておさらいしておきましょう。
Core i9-12900Kは、開発コードネームAlder Lake-Sこと第12世代Intel Coreプロセッサーの最上位モデルで、8コア16スレッドのPコア(Performanceコア)と、8コア8スレッドのEコア(Efficientコア)のハイブリッド構成により16コア24スレッドを実現したCPUです。
Alder Lake-Sの16コア24スレッドCPU「Core i9-12900K」。Core i9-12900KのCPU-Z実行画面。DDR5メモリやPCIe 5.0といった新規格を取り入れたCore i9-12900Kですが、そのスペックで一番注目を集めたのは、241Wという数値が設定された「MTP(Maximum Turbo Power)」でしょう。新たに導入された電力指標であるMTPは、「ブースト動作時の最大消費電力」の指標で、標準的にはこの数値がCPUの電力リミットとして利用されます。
ただし、CPUがベースクロックで動作したさいの電力指標である「PBP(Processor Base Power)」とは異なり、MTPはシステムベンダーが任意で構成可能とされており、現在発売されているIntel Z690マザーボードの多くがMTP値よりも高い電力リミットを設定しています。逆に、将来的にはMTP値よりも低い電力リミットを設定したマザーボードが登場する可能性もあり、MTP値は厳密な最大消費電力という訳ではありません。
IntelがわざわざCore i9-12900KのMTPを241Wにした理由は、競合の16コア32スレッドCPU「Ryzen 9 5950X」を打倒するためでしょう。実際、CPUのマルチスレッド性能を測定するベンチマークテストでRyzen 9 5950Xを上回ることもあるようですが、そのために必要な高クロックのブースト動作は電力効率が悪く、結果として得た評価が「爆熱」であったという訳です。