アップル初のコンピュータ「Apple-1」、45年の謎がついに解明される
Apple(アップル)マニアの長年の謎、「Apple-1」の基板に記されたシリアルナンバーを書いた人物は、やはりあの男だった…。
今から約45年前、1976年7月にアップル社の最初のマイクロコンピュータ、Apple-1が200台発売されました。そのうち82台が現存し、最初の100台のうち約80台にはメインボードに手書きのシリアルナンバーが刻まれています(「01-00##」の連番になっている)。そしてその手書きのシリアルナンバー入りの80台のうち、現存しているものは数十台。これらのシリアルナンバーを書き込んだのは誰なのか?は、長年一部のアップルマニアの間でずっと解明されない謎のままでしたが、これまでアップル関係者からも明かされることはありませんでした。しかし、ついに9to5Macの記事にもあるようにこの謎が解明されたのです。
筆跡鑑定会社に調査を依頼
なお、これまでの経緯について話をしておくと、これまでウォズニアックは「自分ではない」と言い、ジョブズも同様に「自分ではない」と言っていたとされ、基板の組み立てとテストを担当していたダニエル・コットケも否定、基板メーカーも全員無実を主張しています。有力な説として、最初の50台のApple-1コンピュータを購入したByte Shopの仕業と言われていましたが、オーナーのポール・テレル氏も自分ではないと言っていました。
じゃあこのシリアルナンバーを書いたのは一体誰…!?
その謎を解明すべく、アキム・パケは(Apple-1レジストリのキュレーター)は、2台のApple-1を持ってドイツからロサンゼルスに飛んだのでした…。そして主にスポーツカードを取り扱う筆跡鑑定会社のPSA社に託しました。
PSAはこれらの希少価値の高いコンピュータとともに、Apple-1コンピュータのすべての手書きの数字や、その他のさまざまな筆跡サンプルの写真を収集、傾き、流れ、筆圧、文字の大きさなど、さまざまな筆跡の特徴を特定し評価していきました。3カ月にわたる調査と検証の結果、ついにその謎が解き明かされました。その結果やいかに…!?
シリアルナンバーを書いたのはジョブズだった
このシリアルナンバーを書いたのはアップルの共同創業者、ジョブズだったことが明らかになりました。ジョブズ本人の仕業だった…! しかし、なぜ彼がこのナンバーを手書きで書いたのかは謎のまま。だってもう本人はいませんから…。ジョブズは自分は書いてないと言っていたのは、単に忘れていたということでしょうかね。
Apple-1 RegistryにはPSAの署名入り認証書類のレターが掲載されていて、全文を確認することができます。
そしてこのリンクには、「01-0600」と書かれたボードの写真が掲載されていて、そこにはこのように書かれています。「スティーブ・ジョブズは基板にサインをしていないが、すべての文字は彼の手によって書かれたものである」。
この鑑定結果によって、ますますシリアルナンバー入りApple-1の希少価値が上がりそうですね。
訂正[2022/02/21]誤字を訂正しましたSource: 9to5Mac, Apple-1 Registry